声 vol.2
新しい派遣会社に登録した日の夜、思い切ってドンファに電話をした。彼は就職を喜んでくれ、『お祝いしよう』 と私を誘った。 だが約束の時間にドンファは現れず、待ち続ける自分が憐れに思えてきた頃、ドンファが後ろか … Continued
8 今宵僕たちが確かめ合い、たどりついた場所は、深い信頼に満ちた楽園だった。腕にあなたを抱きながら、体も心もひとつに分かちがたく繋がっているのを感じる。 『ルナ … Continued
7 心の奥に不安を抱えたまま、夜を迎えた。 夕食後、ルーチェもルッカも、僕たちをひきとめなかった。 『ルナ… 話があるんだ。』 たとえ期待した返事をもらえなくとも、それでも僕は言おうと決めていた。 … Continued
6 遅い朝食の席で、思い切って僕はルッカに二人だけで話しをしたいと告げた。 ルナとルーチェはアロママッサージを受けると言う。僕たちは二人をマッサージコーナーまで … Continued
5 翌朝僕はルナに、海辺のホテルに行くと告げた。 いっそどっぷり浸ったら、というルーチェの言葉ではないが、 覚悟のようなものが生まれていた。 ルッカは僕のこと … Continued
4 数日間の休暇が取れてホーチミンに戻ったのは、帰国後半年近くたった頃だった。 ルナを驚かせたくて、空港からまっすぐレストランに向かう。 レセプションの女性は … Continued
3 『ルナ…』 あなたが僕を見た。 その目の中にあるのは喜びなのか、とまどいなのか… 『その人は私のお友達よ』 ルナがそう言うと、 … Continued
2 朝食ルームに行ってみたが、女はいなかった。日中はずっとその姿を探して歩いた。プールに入る気もせず、昼食もそこそこに、ホテルの中を、庭を、浜辺を、 … Continued
<第五章> ”ラストシーン“ v たちまちジンは女たちに取り囲まれた。 いつものように結婚の可能性や、競演女優とロマンスはなかったか、 などが立て続けに訊ねられる。 … Continued