1-07 クラブ・ジェイン/リョウ

posted in: クラブ・ジェイン | 0 | 2009/5/10

  力が抜けたようになって、リョウは再びベッドにもぐりこんだ。 ジェインやモモやみずきの言ったことが、脈絡なく頭の中をぐるぐるとまわる。 やがて浅い眠りが訪れた。夢は見なかった。 目覚めると西日が部屋に差し込ん … Continued

1-05 クラブ・ジェイン/リョウ

posted in: クラブ・ジェイン | 0 | 2009/5/10

すぐには、答えられなかった。 心の片隅では待っていた言葉なのに、 あまりにジェインの口調がなにげないので、虚を突かれた思いだった。 「君がここじゃいやだと……」 そう言われてあわてて肯く ジェ … Continued

1-04 クラブ・ジェイン/リョウ

posted in: クラブ・ジェイン | 0 | 2009/5/10

  「まずは、君の本当の歳をきかせてもらおうか。 本当にみずき君より8歳も年下なの?」 「ええ。少し前に、20歳になりました」 「ワインはいつから?」 「ワインを初めて飲んだのは…、あれは、たしか … Continued

1-03 クラブ・ジェイン/リョウ

posted in: クラブ・ジェイン | 0 | 2009/5/10

  数日後、みずきはバーに客を連れて来ていた。 男の様子から、すでに”接客”したあとだとわかる。 早い時間帯にからだが空くと、みずきはこんなことを平気でする。 男は明らかに彼女より年下だ … Continued

1-02 クラブ・ジェイン/リョウ

posted in: クラブ・ジェイン | 0 | 2009/5/10

  「おはよ!」  重い樫の木のドアを開けてみずきが入ってきたのは、翌日のことだった。 「いらっしゃい。夕べ来てくれるかと思った」 「ゆうべ?」  「バーを開ける前、近くでみずきさん見かけたから」 「ああ&he … Continued

1-01 クラブ・ジェイン/リョウ

posted in: クラブ・ジェイン | 0 | 2009/5/10

  リョウが小学生になった年、兄は大学の三年生だった。 夏休み、父は仕事が忙しいと一度も別荘に姿を見せなかった。 気難しい父がいない解放感を、誰もが感じていた。 毎日がうきうきと楽しかった。 リョウの誕生日は海 … Continued

声 vol.5

posted in: | 0 | 2009/3/27

  ベッドに仰向けに横たわると、垂れ下がる覆いを止めていたリボンが解かれ、私は薄いミルク色の繭の中に閉じ込められた。 ベッドはソファーと壁を挟むように置かれていたから、私のあげる声はソファーに座る人の耳に、少し … Continued

声 vol.4

posted in: | 0 | 2009/3/27

  『キッコ、キッコ… 』水の底を流れる音のように、ドンファが私を呼ぶ。そっと肩を揺すぶられる。 『ドンファ… ドンファ?!』  私はソファーから跳ね起きた。『ごめん、 会議が長引い … Continued

声 vol.3

posted in: | 0 | 2009/3/27

  ドンファが電話をしてくることはなかった。私もしなかった。 仕事にはすぐに慣れ、派遣会社に登録している他の女たちとも顔を合わせた。一度、懇親会と称して十名ほどで飲み会があった。皆似たような経歴で、あちこちで同 … Continued

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