監督/アンドレア・セグレ
去年行きそびれたキオッジャが舞台の、
心震える、素晴らしい映画だった。
最終日、がんばって行ってよかった。
http://www.alcine-terran.com/umibenoshijin/
とてもリリカルな映画だった。
冬のヴェネツィアの押さえた色彩が、まさにぴったり叙情的で。
観光客のまったく知らない、ヴェネツィアとイタリア。
ヨーロッパとイタリアの歪みが、すでに30年前から重なっていたということ。
30年前にユーゴラスビアからやってきたべーピは、
一見すると、ヴェネツィア人そのものなのに、
親しいバール仲間からも、つい、スラブ人は…などという言葉がもれる。
そこに、近年のイタリアを席巻する中国人の移民問題がからむ。
この哀切な物語に、イタリアやヨーロッパ、
ひいては世界が抱える深い問題を、
抑制した筆致で、美しくも強い映像に潜ませた凄さ!
2011年ヴェネツィア国際映画祭FEDIC特別賞受賞 2012年イタリアアカデミー賞主演女優賞受賞 他受賞多数
“もっとも美しいイタリア映画”と称されるなど、各国の映画祭で多数受賞!
世界各国の映画賞を受賞し、”もっとも美しいイタリア映画のひとつ”と称された本作。シュン・リーを演じるのは、中国の巨匠ジャ・ジャンクー監督のミュー ズとして彼の作品に出演し続け、『長江哀歌』で2006年ヴェネチア国際映画祭グランプリを受賞した実力派女優チャオ・タオ。べーピ役は『ビフォア・ザ・ レイン』で一躍有名俳優になり、以後『M:I-2』『バットマン ビギンズ』など多くの作品で世界的に活躍しているラデ・シェルベッジアが演じる。
監督を務めたのは、多くのドキュメンタリー作品を手掛けてきたアンドレア・セグレ。どのワンシーンを切りとっても全てが美しく、心情を投影しているような詩情豊かな情景は、静かながらも深く大きな感動を与えてくれる。監督・脚本:アンドレア・セグレ/Andrea Segre
1976年9月6日、イタリア・ヴェネト州生まれ。ボローニャ大学を卒業後、数多くのドキュメンタリー作品を監督。社会学の研究者でもあり、10年以上に わたり移民問題についての調査・研究に取り組んでいる。また、ドキュメンタリー集団”ZaLab”の創設者としても精力的に活動している。これまで多くの ドキュメンタリー作品を監督している。2008年「Come un uomo sulla terra(原題)」は世界中の映画祭で上映され数多くの賞を受賞し、2009年イタリア・アカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされた。本作が 劇映画デビュー作となるが、ヴェネチア国際映画祭、イタリア・アカデミー賞はじめ世界中の映画祭で高い評価を得ている。チャオ・タオ/Zhao Tao (シュンリー)
1977年1月28日、中国・山西省生まれ。北京舞踏学院卒業後、大学で中国舞踏の教師をしているところ、映画監督ジャ・ジャンクーの目にとまり『プラットホーム』(01)出演を果たす。それ以降、ジャ・ジャンクー作品のミューズとして『青の稲妻』(03)、『四川のうた』(09)に主演、『長江哀歌』(07)では2006年ヴェネチア国際映画祭グランプリを受賞。本作でも中国人女優ながらイタリア・アカデミー賞主演女優賞を受賞するなど、世界を舞台に活躍している。
ラデ・シェルベッジア/Rade Sherbedgia (べーピ)
1946年7月27日、旧ユーゴスラビア・クロアチア生まれ。ザグレブ大学在学中から演劇の勉強を始め、旧ユーゴスラビアでは最も有名な俳優のひとりとなる。1990年代にアメリカに移り住み、『ビフォア・ザ・レイン』(96)で1994年ヴェネチア国際映画祭最優秀男優賞を受賞し一躍有名俳優の仲間入りを果たす。以後、『アイズ・ワイド・シャット』(99)、『M:I-2』(00)、『スナッチ』(01)、『バットマン ビギンズ』(05)など多くの作品に名脇役として出演し、世界的俳優の地位を築いている。 また、朗読詩人としても知られこれまでに4作品のアルバムを発売している。
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