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posted in: 月誌 | 2 | 2010/5/13

5月もあっというまに終わりそうである。
一番好きな季節は、もっとゆっくり過ぎて欲しいのに。

昨日の夕方、家を出てほんの1分ほどのところで、突然、
よく知っている花の香りに包まれた。
包まれた、というよりも、香りの圏内に私が一歩足を踏み入れた、という感じ。
ジャスミンほど甘ったれではなく、くちなしほど押し付けがましくもない。
白い華やかさと青い野生が立ち上がり、傾いた初夏の陽射しに踊っている。

あたりを見回すまでもない、通りの反対側の塀の上に枝を伸ばしている、
蜜柑の花の香りだとすぐに気付く。
それでも私は足を止めて、6m先の、艶やかな緑の葉と白い花を眺める。
そうだった、5月はこの香りの季節でもあった。

ある時期、何年か続けて、おだやかな海を望む荒れた蜜柑畑に、
木苺を摘みに出かけたことがあった。
忘れられ、省みられることなく、静かに嬉々として人の気配を消し去りつつあった丘、
風が流れる開けた斜面ではさらさらと香りも流れ、
陽だまりのようなくぼ地では、香りも澱んで溜まっていた。
誘ってくれた友と疎遠になってしまい、もう二度と行くことのない丘である。

 

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